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守山でエッシャー作品展示 だまし絵の原理や作品の背景を解き明かす

エッシャーの自画像「写像球体を持つ手」を体験できるコーナー

エッシャーの自画像「写像球体を持つ手」を体験できるコーナー

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 オランダの版画家マウリッツ・コルネリス・エッシャーの作品を解き明かす「エッシャー 不思議のヒミツ」が現在、佐川美術館(守山市水保町)で開催されている。

錯視を体感できる部屋で写真を撮影する親子

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 エッシャーの代表作「上昇と下降」「描く手」のほか、建築装飾美術学校時代に制作された版画やイタリアの風景など後の作品の基礎や背景となった作品も展示する。錯視の原理を利用した体験コーナーや、なぜ錯覚するのかを説明するパネルも用意し、エッシャーの世界観を体感できるようにした。

 同館学芸員の馬場まどかさんは「イタリアで描いた風景画が後の作品に取り入れられている。年代を追って作品を見ていくと、風景画が中心だったエッシャーが、スペインのアルハンブラ宮殿を訪れてタイル装飾に触発され、作風が一変したことも分かる」と話す。

 「上昇と下降」「相対性」の隣には作品の中の階段を上り続ける人と下り続ける人の動画を展示し、一見合っているように見えるが、つじつまが合わない「パラドックス」を体感できるようにした。

 エッシャーの1956年の作品「版画の画廊」を2003年に数学者が分析し、エッシャーがどうしてもかけずに断念して消した中心部を描き足した「分析された版画の画廊」も展示している。

 「METAMORPHOSE」の文字が白黒のモザイクに変化し、トカゲやミツバチ、魚などを経て最後に「METAMORPHOSE」の文字に戻る「メタモルフォーゼII」など形が徐々に変化して別の形になる作品を見た奈良市の男性は「今ならコンピューターで作れるかもしれないが、この時代に作るなんでどんな頭の中をしているのか不思議」と話した。

 錯視を引き起こすゆがんだ部屋で親子の大きさが逆転する写真を撮影した守山市の女性は「エッシャーの作品を見て、普段見えている物が本当なのか分からなくなってきた。本物を見るのは難しいのだと感じた」と話した。

 開催時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。月曜(祝日の場合は翌火曜)、12月30日~1月3日休館。入場料は、大人=1,300円、高校生・大学生=900円、中学生以下無料(要保護者同伴)。事前にウェブサイトで予約が必要。2月25日まで。

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