叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)寿長生(すない)の郷(さと)(大津市大石龍門)の梅の花が見頃を迎えた。
叶 匠壽庵は1958(昭和33)年創業の和菓子店。同施設は1985(昭和60)年、6万3000坪の山に菓子工場、農園と共にレストランや売店を設けてオープンした。約5500坪の梅林には城州白梅のほか、赤い実を付ける露茜(つゆあかね)や小梅などの白い花が咲く白梅と、千鳥紅梅、紅千鳥などのピンク色の花が咲く紅梅の9品種、約700本梅の木が植えられている。
梅の花は2月7日に開花し、2月22日には満開となった。秘書広報課の関野芽衣さんは「寿長生の郷で梅の開花の観測を始めてから、最も早い開花となった。開花時期も早かったが、2月中旬の暖かさの影響で2、3日の間に急に満開になった。例年より3週間ほど早い」と話す。「梅の花は散らずに色が茶色く変化していく。見頃は2週間ほど」とも。
特に城州白の開花から満開までの時間が短く、先に開花した紅梅を追い越し、城州白が一足早く満開となった。城州白は菓子の原料として使われており、梅園の半数以上を占めている。
寿長生の郷では、23日から梅の花の開花に合わせたイベント「梅まつり」を開催している。敷地内に梅昆布うどんや城州白梅ソフトクリームなどの屋台、軽食を提供するキッチンカーなどを出店し、和太鼓演奏やコンサート、子どもみこしなどを実施。陶芸やシイタケ植菌の体験も行う。日曜と祝日には、小豆、柿、うなぎ、ふなずしなどを販売する「梅見世(うめみせ)」も開く。
社内コンテスト優秀賞受賞の3商品を梅まつりの期間限定で提供。錦玉羹(きんぎょくかん)に城州白の果肉を入れた「梅一滴(うめしずく)」羽二重餅にのし梅を挟んだ「春告げ」をテイクアウト商品として、「梅おはぎ」を屋台でのイートイン商品として提供する。
23日~25日はあいにくの雨となったが、3日間で約5200人が来場した。平日も多くの人が訪れ、梅の花の撮影をする人や、期間限定の商品を買い求める人でにぎわっている。28日に城陽市から来場した女性は「まだ早いかと思っていたが、満開でタイミングが良かった。梅の木がたくさんあって、きれい」と喜んだ。
営業時間は10時~17時(店により異なる)。水曜定休(3月20日は営業)。梅まつりは今月20日まで。