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大津の画家・福元なおんどさん、パリで個展-膠絵で「日本の妖怪」描く

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 膠(にかわ)を混ぜた墨など日本の伝統的なスタイルで竜や金魚、野菜の妖怪などを描く大津在住の画家、福元なおんどさんが現在、仏パリのギャラリー「ギャラリー・ヴァネッサ・ロウ」で個展「MONONOKE PANDEMONIUM」を開催している。

描く様子

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 福元さんは短大で日本画を学び、京都造形芸術大学歴史遺産学科に進学。文化遺産の保存修復の技術を学んだ後、卒業後は国宝を含む古文書や掛け軸修復の仕事などをしながら、絵画作家として個展活動を続けてきた。和紙に膠を混ぜた絵の具や墨で描く日本の伝統的なスタイルで、その作品の多くに金粉を使った「金泥(きんでい)」と呼ばれる絵の具を使っている。多くの作品に竜や金魚などの生き物を独特な動きを出して描くのが特徴で、額装やびょうぶの仕立ても自ら行う。

 昨年東京で開かれた「GEISAI」で出会ったフランスで画廊を経営するヴァネッサさんに招待され、同展開催が決まった。ギャラリーの場所は西洋アンティークの店が多く並ぶパリ郊外のクリニャンクールで、骨董(こっとう)好きのファンや世界中の美術商が訪れるエリア。出展する作品のテーマは、これまで福元さんがよく描いてきた題材で、西洋のゴーストともモンスターとも異なる日本独自の文化から生まれた「日本の妖怪」。 

 作品数は、びょうぶ2点、扇子6点、額10点、巻物2点ほどの計約20点。大きさは、高さ約1メートルのびょうぶ作品からサムホール大(22.7センチ×15.8センチ)のものまで。

 フランスで初の個展となる福元さんも今月6日まで現地に滞在した。「西洋の美術とは正反対の作風なので、どんな反応か予想できなかったが、来てくれるお客さんはとても興味をもってくれている」と福元さん。開催前からオープンニング告知用の作品が売れた。「日本では自分のようなノーブランド作家はなかなか評価してもらえないが、クリニャンクールに来る人たちは自分の価値観で作品と向き合っている。海外ではそれぞれ違った見方で作品を評価してもらえ刺激になる」

 福元さんは「今後、日本だけでなく海外での発表の機会も増やして、たくさんの人に作品を見てもらえるようにしていきたい」と話す。

 パリでの個展は5月2日まで。

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