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湖魚と県産農産物使う「びわ湖魚グルメ」に新メニュー 今年はスイーツも

ビワマスを低温調理したメニューや、湖魚を使ったスイーツなど「びわ湖魚グルメ」がお披露目された

ビワマスを低温調理したメニューや、湖魚を使ったスイーツなど「びわ湖魚グルメ」がお披露目された

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 琵琶湖の魚と滋賀県産農産物を使った「びわ湖魚グルメ」新メニューの提供が2月1日、びわ湖プリンスホテル(大津市におの浜4)や近江懐石清元(雄琴6)など県内45施設で始まった。

県内45施設で琵琶湖の魚と滋賀県の農産物を使ったメニューを提供する

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 「びわ湖魚グルメ」は滋賀県の農林水産業の仕組みである「琵琶湖システム」が2022年7月に世界農業遺産に認定されたことをきっかけに、同システムを生かして次世代へつなぐための取り組みとして、2024年2月から提供。ビワマスやホンモロコ、セタシジミなど琵琶湖産の魚介類と滋賀県産の農産物を使ったメニューを県内の飲食店や宿泊施設が提供している。

 2年目となる今年は、45施設が71メニューを提供する。今年は特に「中食」を重視し、テイクアウト商品やスイーツの開発に力を入れ、「ご当地グルメ開発ワークショップ」を実施。売れる商品や、中食商品の作り方などを生産者と飲食店などで話し合った。

 今年は初めて湖魚を使ったスイーツを提供する。びわ湖大津プリンスホテルは「湖国の恵みDEアフタヌーンティーセット」を提供。ふなずしチーズケーキや、滋賀県の伝統食「えび豆」をモチーフにした豆乳プリンなどを開発したパティシエの藤野可蓮さんは「滋賀県出身で子どもの頃から湖魚を食べる機会が多かった。豆乳プリンの上にはスジエビをのせるなど、写真映えするスイーツを考えた」と話す。

 近江懐石清元は、ビワマスを43℃で真空低温調理したメニューをランチに提供する懐石の一品として用意する。同店を運営する清元楼の社長・清本健次さんは「生のビワマスは提供できない時期があるが、調理すれば年間を通して安定して提供できる」と話す。

 利用可能ではあるが、何らかの理由で利用されていない魚「未利用魚」を使ったメニューもあり、ひさご寿し(ずし・近江八幡市)はマジカ(ニゴイ)の押しずし「真近源平寿司(すし)」を提供する。同店の川西豪志さんは「漁師から良い状態で仕入れたニゴイを使っている。琵琶湖のニゴイは他の地域のニゴイに比べて格段に味が良いが、市場に出荷しても売れないので漁師も取らず、料理人もおいしい食べ方を知らない」と話す。

 立命館守山高校の生徒が「未利用魚」の課題解決のためにギンブナを使って開発した缶詰「ギンブナ・マンテカート」は県内の道の駅などで販売する。同校3年生の犬飼千早希さんは「琵琶湖の課題は外来魚だろうと思っていたが、実際に漁師から話を聞き、未利用魚が問題だと知った。小骨が多く流通しないということも聞き、ギンブナを使った缶詰を考案した」と話す。

 1月31日にピアザ淡海(におの浜1)で開催されたお披露目会で、三日月大造滋賀県知事は、スジエビのプリンのほか、カップケーキに湖魚のつくだ煮を刺した「湖国のふんわりケーキ」(近江ダイニング橘菖)を試食した。

 「プリンは口の中でスジエビの食感を楽しめた。ケーキは恐る恐る食べたが、つくだ煮が甘辛くておいしかった」と三日月知事。「第2弾になる今回は、第1弾には見られなかった牛肉とのコラボメニューやスイーツがあった。彩りも豊かで、甘い物、辛い物などバリエーションが増えた。琵琶湖や滋賀の特産物への理解が深まれば」と期待を寄せる。

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