画家・藤田嗣治の生誕140周年を記念した展覧会「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」が現在、佐川美術館(守山市水保町)開催されている。
藤田の芸術を「自己表現」「風景」「前衛」「東方と西方」「女性」「子ども」「天国と天使」の7テーマから読み解く同展。監修は、藤田研究の第一人者として知られるシルヴィー・ビュイッソンさんが務める。期間中、油彩画、版画、資料など日本初公開作品を含む約140点を展示する。
展示作品は、フランス各地の作品を中心に構成。年代順ではなくテーマ別に作品を紹介することで、渡仏初期から晩年までの藤田の表現の変化をたどる。
「自己表現への情熱」のテーマでは、自画像などを通して、丸眼鏡やおかっぱ頭といった藤田の特徴的な外見や、画家としての自己表現に焦点を当てる。「前衛への情熱」では、1913年(大正2年)の渡仏後、キュービスムなどの前衛芸術に触れ、新たな表現を模索した藤田の歩みを紹介する。
「東方と西方への情熱」では、日本美術の要素を取り入れた作品を取り上げる。面相筆と墨を用いた細い線や、金箔を使った背景など、西洋絵画と日本美術の要素を組み合わせた藤田独自の表現も見どころとなる。
「女性への情熱」では、藤田の名を広く知らしめた「乳白色の裸婦」などの女性像を紹介する。画材の研究を重ね、白い肌の質感を追求した藤田の制作技法にも注目する。マドレーヌ・ルクーをモデルとした作品も展示し、女性像の変遷をたどる。
このほか、風景画や子どもを描いた作品、宗教を題材とした作品などを通じて、藤田が生涯にわたり追求した表現を紹介する。版画作品と原版を併せて展示するほか、藤田の生涯や作品制作の背景を伝える映像も設置する。会場のために制作した映像では、藤田の写真アーカイブや、パートナーでモデルでもあったマドレーヌを紹介する。
担当学芸員の深井千尋さんは、フランス人研究者の視点から藤田の芸術を捉える点について、「藤田の絵が好きな人でも新しい見方ができるのではないか」と話す。画家としての表現だけでなく、自身のイメージを発信する姿にも着目し、「絵が好きな人はもちろん、初めて芸術に触れる人にも見てもらえたら」と来場を呼びかける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(11月23日は開館)。観覧料は、大人=1,600円、大学生・高校生・専門・専修学校生=800円。中学生以下と障害者無料。障害者の付き添いは1人まで無料。11月23日まで。