滋賀県立美術館(大津市瀬田南大萱町)で4月17日、企画展「ためして、みる展 さわって 照らして ねそべって!?アートを楽しむ10のトライ」が始まった。
作品と同じ椅子に座り、作品の一部になることができる「作品の仲間になる」
同館では年1回、所蔵作品を紹介するテーマ展を開催しており、2023年は「みかたの多い美術館展」、2025年は「落語であーっと展」を行った。今回は体験型に特化し、来館者が体や道具を使って作品と関わる構成にした。
企画担当者の平田健生さんは「作品の新しい魅力を引き出すように展示している。動きながら作品に向き合う体験を提案したい」と話す。会場では案内役キャラクター「とらいさん」が各体験へと誘導する。
展示は10の「トライ」で構成。色名辞典などを使い作品の色を探る体験や、双眼鏡や単眼鏡で細部を見るコーナーなどを用意する。
トライ2の「寝そべって見る」では、畳の上で座ったり横になったりしながら鑑賞する。視点の高さを変えることで、同じ作品でも印象が大きく変わることを体感できるようにした。
トライ5の「中身を全部バラして見る」では、マルセル・デュシャンの「トランクの中の箱」のレプリカを用意。来館者は触って分解することができ、普段はガラスケース越しで見えない部分まで開いて観察できる。
トライ7の「光を変えて見る」では、暗い部屋に展示しているアンディ・ウォーホルの「マリリン」などの作品に来館者がライトを操作し光を当てる。照明の違いによって色彩や質感の見え方が変化する様子を確かめられる。
トライ8の「真っ暗な中で見る」では、暗室で来館者が懐中電灯を使い作品を照らすと、光を当てた部分だけが浮かび上がり、懐中電灯を動かすと壁に映った影が動く。平田さんは「作家はさまざまな環境で作品を見ているが、美術館では一つの見え方に限定されてしまう。いろいろな角度から光を当てて変化を楽しみ、多様な見え方に気付くきっかけにしてほしい」と話す。
トライ10の「作品の仲間になる」では、椅子に座った人が並ぶ今井祝雄の「ヴォワイアン」と同じ椅子に座り、展示の一部として参加でき、作品と同じ空間を共有する感覚を楽しめる。平田さんは「鑑賞者自身が作品に関わることで、記憶に残る体験になる」と話す。
会場では車椅子利用者も含め、さまざまな来館者が参加できるよう配慮した。展示室内での会話も可能とし、子ども連れでも気軽に楽しめる環境を整えた。平田さんは「子どもと大人が体験を共有し言葉にすることで、新しい発見が生まれる」と話す。
5月10日は関連イベントとして、子ども向けワークショップを開くほか、体験を共有するギャラリートークを6回行う。
開催時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、大人=950円、高校生・大学生=600円、小学生・中学生=400円。6月21日まで。