特集

【パン好きのまち大津 Vol.10】 瀬田「バオバブの木」

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日本一パンの消費量が多いまち・大津市で、パン作りに関わる人や店を紹介します。

2016~2018年の食パンとそのほかのパンの合計消費量が47都道府県の県庁所在地と指定都市の中で大津市が1位になり、年間の平均消費量は55.6キロで全国平均を24%上回っています。(総務省家計調査)

 

瀬田駅のロータリー内にある「バオバブの木」には、来客が絶えることなく、1時間に何度も店員の「パン焼きたてです」の声が響きます。

焼きたてパンのおいしさを味わってほしい

 1998(平成10)年にオープンした「バオバブの木」。バオバブの木のように大きく、地域に根付いた店になるようにと名付けられました。

 専門学校でパン作りを学び、19歳から大阪で修業した上林潤さんは、2009年に「バオバブの木」の店長になりました。

 看板商品のカレーパンは1日に10回以上、クリームパンは6、7回、そのほかのパンも3、4回焼き上がります。上林さんは「本当は1回に30個焼いた方が楽なのですが、お客さんに焼きたてを味わってももらいたいので、1回に焼く個数を減らして焼く回数を増やしています。焼きたてを提供できるのが、まちのパン屋の強み」と話します。

 焼きたてのパンをその場で味わえるように、店内にはイートインコーナーがあり、パンを購入した人は、ホットコーヒーを10円、アイスコーヒーを50円で飲むことができます。

スタッフと一緒に作り上げる店

 開業当時から人気の高いカレーパンは、「バッター液に浸してからパン粉を付けて揚げることで、生地はモチッと、衣はサクッとした食感に仕上がるように工夫しました。ほかのパンも、クリームとホイップのバランスを変えたり、レモンを増やしたり、スタッフと相談しながら改良しています」と話します。「塩フランスパン」は、スタッフのアイデアから生まれ定番商品になりました。

 商品のPOPや店頭に置く看板もスタッフの手作り。上林さんは「イラストやパンの配置、店の飾り付けなど、スタッフがアイデアを出して工夫してくれて、ありがたい。店はスタッフ皆で作り上げています」と感謝します。

「誰に売りたいのか」を明確にしたパン作り

 上林さんは「広く万人受けするパンと、パン好きの人のためのパンをはっきりと明確にした方がいいと考えています。誰に売りたいのかを意識してパンを作るようにしています」と話します。

 「何度も来店して、その度にカレーパンやめんたいフランスを大量に購入してくれるお客さまもいます。きっと、友達や同僚に配ってくれているのだと思うとうれしくなります」と笑顔を見せます。

バオバブの木 瀬田店

滋賀県大津市大萱1-11-11

TEL: 077-547-2810

定休日:日曜日

営業時間

月~土 7:00~19:00

祝日 7:00~18:00

http://ichien.jp/baobab/

 

取材・文・撮影=山中輝子

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