野洲市出身のファッションデザイナー・西崎(さきはたつさき)有那さんの作品も展示された「NFDT・SFDA 受賞者 地方巡回展」が8月7日~13日、「イオンモール草津」(草津市新浜町)で開催された。
着物をあえて傷つけたり切り込みを入れたりすることで傷が再生・修復していく過程を表現した
着物の生地などを活用する東京都主催のファッションコンクール「Sustainable Fashion Design Award(SFDA)」と「Next Fashion Designer of Tokyo(NFDT)」の受賞者地方巡回展。SFDAの「東京都知事賞 優秀賞」を受賞した西崎さんをはじめ、受賞者14人の作品が並んだ。
西崎さんの受賞作「REGENERATE(リジェネレイト)」は、不要になった着物を組み合わせ、新しい風合いを生み出した作品。REGENERATEは「再生」を意味し、傷が再生・修復していく過程をデザインに落とし込んだ。
作品では、着物をあえて傷つけたり切り込みを入れたりすることで立体感を表現。スカートには元々真っ白だった着物を手染めし、グラデーションに仕上げた。裏地にも着物の生地を使い、キルティング加工を施している。制作には実家にあった着物のほか、リサイクルショップや古い着物を扱う店で購入した着物を使用。1点につき5、6着ほど、3点で15~20着を使った。
西崎さんは「傷が治る過程は当たり前のようで、あまり注目されないが、よく考えると不思議で美しいと感じた。そこからインスピレーションを受けた」と話す。
西崎さんは昨年も同コンクールに応募したが落選。今回は市場性や「着たい」という気持ちが伝わるデザインを意識して再挑戦した。「前回の反省から、今回はインパクトや着物の使い方だけでなく、見た時にかっこいい、自分が着たいと思えるものを作るよう意識した」と振り返る。
東京を拠点にアパレル企業でデザイナーとして働く西崎さんにとって、今回が地元で作品を展示する初めての機会となった。「今まで展示は東京が多く、地元の友達や家族に直接作品を見てもらえる機会がなかったのでうれしい。滋賀出身の人がこういう活動をしていると知ってもらえたと思う」と話す。
東京都は受賞者に対し、ブランド立ち上げに向けた講座や展示会、パリでの作品発表などの育成支援を行っている。西崎さんは今後について、「まずは衣装デザイナーとして、アイドルやアーティストの一点物の衣装を作りたい。その後、経験を積んだ上で自分のブランドを立ち上げ、多くの人に自分のデザインした洋服を着てもらいたい」と意気込む。