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大津でアール・ブリュット展-知的障がい者などの作品の魅力を発信

1階センターコートで展示されている澤田真一さん、山際正己さんによる「オニ」などの陶芸作品。澤田さんの「無題」の作品名の応募を受け付け、優秀作品には「特製アール・ブリュットカレンダー」を進呈する企画も

1階センターコートで展示されている澤田真一さん、山際正己さんによる「オニ」などの陶芸作品。澤田さんの「無題」の作品名の応募を受け付け、優秀作品には「特製アール・ブリュットカレンダー」を進呈する企画も

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 「アール・ブリュット ゾーン パルコ」が現在、大津パルコ(大津市打出浜、TEL 077-527-7111)で開催されている。

「アルタイ人形」作りの模様

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 アール・ブリュットとは「加工されていない生(き)の芸術」と日本語訳され、文化や流行、教育などに左右されず、自身の衝動のままに表現されたものを指す。フランスで生まれたこの概念は、作家を主に精神障がい者を対象としていたが、知的障がい者、老人、教育を受けずに育った人にも及ぶようになった。滋賀県は知的障がい者を中心に国内でも先駆的に取り組んできた。

 同展は、来年3月まで行われる「多様な主体との共働による アール・ブリュット魅力発信事業」の第1弾。運営は「ボーダレス・アート・ミュージアムNO-MA」を始めとする団体で構成される同事業実行委員会。12月1日に行われたギャラリートークでは、アートディレクターの井上多枝子さんが会場の作品を解説したほか、6階では勝部翔太さんの「アルタイ人形」に倣って参加者が作品作りに挑戦した。野洲市から参加した有田直人さん家族も子どもたちが思い思いに作品作りを楽しんでいた。

 国内10人の作家による作品を1階センターコート、3階・5階東側エレベーター横で展示する同展。「アルタイ人形」は菓子などを封するのに使われる針金が入ったカラフルなアルミのタイを巻き付けることによって作られており、戦隊の武器にはアルミフォイルの刃が利用されている。水谷伸郎さんの「電車」は、コピー用紙とタバコのフィルムを使って模型サイズで精密に作られており、虫眼鏡レンズでのぞき見ることもできる。街を独自のリズムで詳細に描いた古久保憲満さんによる「復興する東日本福島県」、喜舎場盛也さんによる漢字を組み合わせた絵画のほか、自閉症の戸來貴規さんによる字を図形的に表現した「日記」などの平面作品も展開する。

 同事業実行委員会広報の筈井淳平さんは「思ったままに表現することはなかなかできない。2・3月にも県内で展示会を予定しているのでこの驚きを体験してほしい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時~20時30分。入場無料。12月15日まで。ギャラリートークは12月8日・14日も予定。参加申し込みは県社会福祉事業団企画事業部、TEL 0748-46-8100)まで。

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