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琵琶湖博物館で琵琶湖で取れた「巨大ウナギ」展示ー重さは通常の10倍

ウナギは夜行性のため開館時は隅に隠れるようにじっとしていることが多いが、顔の方に回って見る人も。ウナギとアイコンタクトする草津市の伊吹真宏くん

ウナギは夜行性のため開館時は隅に隠れるようにじっとしていることが多いが、顔の方に回って見る人も。ウナギとアイコンタクトする草津市の伊吹真宏くん

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 琵琶湖博物館(草津市下物町、TEL 077-568-4811)の水族企画展示室で現在、琵琶湖で捕獲された全長117センチ、体重3.7キロの巨大ニホンウナギが展示されている。巨大ウナギの重さは、は琵琶湖で取れる通常のニホンウナギの10倍だ。

巨大ウナギはこんな顔

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 8月上旬、彦根市在住の漁師から「巨大ウナギが取れたので寄贈したい」との連絡があり、ニホンウナギの減少・価格高騰が問題となっている現在、貴重な存在として展示・飼育する運びとなった。同館の新たな目玉水族として、夏休みが終わった直後の土曜にかかわらず、展示初日は巨大ウナギを一目見ようと多くの客が訪れた。

 企画展示室の入り口には、うなぎ店に掲げているようなウナギの体を「う」の字にした毛筆で描かれた「うなぎ」の案内を掲げ、思わずかば焼きの香りを想像させるユニークな試みも。巨大ウナギからは「約20人前が取れる」という。ウナギは1キロを超えると大きいとされるが、「ここ10年、これほど巨大なウナギは見たことがない」という同漁師。希少な天然ものは高額で、現在の浜値で1キロ=7,000円であることから、3.7キロの巨大ウナギは2万5,900円となる。

 琵琶湖には昔からニホンウナギが生息しており、かつては海から遡上(そじょう)していたが、1905(明治38)年の南郷洗堰の完成により遡上量が減少したため、翌年から静岡県や愛知県から買ってきたニホンウナギの稚魚を放流している。天ヶ瀬ダムの完成により完全に遡上はできなくなり、ニホンウナギは放流に寄って維持されており、毎年5~7トンが漁獲されている。

 巨大ウナギは10歳ぐらいと推定され、一般的にウナギの寿命が20歳とされることから、あと10年生存する可能性がある。企画展示期間終了後も一般の水槽へ移動し飼育を続ける予定。ニホンウナギは2013年の環境省のレッドリストで絶滅危惧種IB類に指定されている。

 同館企画調整課・広報担当の菅原和宏さんは「巨大ウナギが育つほど琵琶湖には餌となるエビや小魚が多く、栄養が高いという証拠なのでうれしい。秋の観光や遠足などでも楽しんでいただきたい」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。観覧料は、大人=750円、高校生=450円、中学生・小学生以下無料。月曜休館(祝日の場合は開館)。巨大ニホンウナギの企画展示は9月29日まで(ウナギの体調により変更する場合もある)。

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