滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町)が現在、館内繁殖に初めて成功した希少種「ヤマトサンショウウオ」の幼体を展示している。
ヤマトサンショウウオは、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧2類、滋賀県レッドデータブック2020年版で希少種に位置付けられている小型の両生類。近畿地方の山間部に生息し、2月から3月ごろに休耕田など流れの少ない水辺で産卵する。
同館は2019年から、保護増殖センターでヤマトサンショウウオの生息域外保全に取り組んできた。野生個体群を守るための自然環境保全について考えるきっかけになればと、成体の展示は2024年から始め、2025年には、滋賀事業所内で生息域内保全に取り組むダイフク(日野町)と共催で幼生の期間限定展示も開いた。来館者から反響があったことを受け、今回初めて館内繁殖に挑戦した。
繁殖では、自然環境に近づけるため屋外バックヤードに繁殖用水槽を設置。環境を整え、2月12日に産卵を確認した。3月13日に最初の個体がふ化し、その後約1週間で計17匹が誕生した。
幼体は水中で生活する幼生期で、外鰓(がいさい)と呼ばれるえらを持つ。今後、えらが短くなり後ろ足が生えるなどの変化を経て、夏ごろには陸に上がるとみられる。
展示は水族トピック展示「びわ博生まれ ヤマトサンショウウオの幼体」として6月28日まで水族展示室「保護増殖センター」前で開く。常設展示ではヤマトサンショウウオの卵、幼生、幼体を展示し、卵から孵化、上陸までの成長過程をパネルとともに紹介する。
両生類飼育担当者は「産卵したときは安心した。成果を実感し達成を感じた」と話す。「人里近くの田んぼ周辺に生息する種類だが、管理された田んぼの減少で産卵場所が減っている。展示を通して、生息環境や田んぼの生態系にも関心を持ってもらえたら」とも。
開催時間は9時30分~17時(最終入館16時)。月曜休館。