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滋賀県立近代美術館で「ダリとフランス近代絵画の巨匠」展-諸橋近代美術館から65点

「写真のダリににらまれながら」と「リップ・ソファー」に座る諸橋英二諸橋近代美術館館長(左)と嘉田由紀子知事(右)

「写真のダリににらまれながら」と「リップ・ソファー」に座る諸橋英二諸橋近代美術館館長(左)と嘉田由紀子知事(右)

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 滋賀県立近代美術館(大津市瀬田南大萱町、TEL 077-543-2111)で2月8日から、諸橋近代美術館コレクションより「幻想の画家ダリとフランス近代絵画の巨匠たち」が始まった。

ダリのシュールレアリズム作品を解説

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 諸橋近代美術館は、福島県の裏磐梯に位置し、スペインのサルバドール・ダリの彫刻・絵画・版画350点のほかセザンヌ、ピカソなどの近代絵画の巨匠の作品を中心に収蔵。滋賀にはそのうち65点が展示されている。

 開会式では、主催者を代表して嘉田由紀子県知事が「今回の展示会は2012年の春に滋賀県立近代美術館の絵画コレクションを諸橋近代美術館で紹介いただいたのがきっかけ。ダリ収集家・諸橋廷蔵さんのコレクションの多くを外に出すということはこれまでにないことでありがたく思っている。『絆プロジェクト』として福島を離れて滋賀で暮らしている人を招待する予定」とあいさつした。来賓の諸橋近代美術館・諸橋英二館長は「震災の翌年、福島が復興の入口にも立っていない状況の時に80点も快く出品いただけ、県民も心が安らいだ。今回は『出会い』がキーワード。福島の会津若松や敦賀城は滋賀の蒲生氏郷が名付け、漆や酒を伝え会津の重要な産業に発展。これだけのコレクションを出品するのは初めてで滋賀に出品できてうれしい。人間の言葉にならない作品のしたたかさ・優しさが伝わってくるはず」と述べた。

 展示の始めにはドイツの田舎の城をモデルにしたという諸橋近代美術館の外観やヨーロッパの石畳の館内の写真も掲げられ、「息吹を感じてほしい」とガラスがはめられていない作品も多数展示されている。スザンヌの初期の作品「林間の空地」やマティスの弟が長年保管していたシャガールの「黄色と赤の花束」などの珍しいものをはじめ、知事が「水との関わりについて研究している」という「洗濯船」を描いたルノワールの作品、ユトリロの「白の時代」を代表する「モンマルトルのソール通り」など貴重なコレクションは39点に及んでいる。ダリの作品は26点で、40代で亡くなった母の肖像画で始まり、父への反発や妻への愛情などフロイトを研究していたダリの精神性が具現化した幻想的なフォルム、柔らかい形や食べ物が好きだったダリを象徴する時計をモチーフにした彫刻「記憶の持続」など見応えのある内容となっている。最後にダリの大きな写真とともに展示する「リップ・ソファー」では座っての撮影が可能だ。

 期間中は関連イベントも企画。記念講演会「ダリに魅せられたコレクター」(同9日・14時~。講師=諸橋英二館長)。県立芸術劇場びわ湖ホールとの連携事業として、記念コンサート(同3月2日・14時~14時50分・同館講堂、入場無料)。その他イベントなど詳しくは同美術館ホームページで確認できる。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。休館日は月曜日。観覧料は一般=950円(前売り750円)、高大生=650円(同500円)、小中生=450円(同350円)。3月30日まで。 

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