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平和堂ファームで近隣農家の規格外イチゴ集荷 チューハイやサイダーに

規格外イチゴを出荷するフェリーチェの南出さん

規格外イチゴを出荷するフェリーチェの南出さん

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 加工品に使う規格外イチゴの集荷が4月12日、平和堂ファーム(野洲市堤)で始まった。

冷凍のイチゴを加工し、チューハイやサイダーなどの商品にする

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 平和堂ファームは滋賀県の農業支援と農作物の安定供給を目指し、持続可能な農業を実現するために2020年、滋賀県を中心にスーパーマーケットを運営する平和堂(彦根市)が開場。後継者の不足、休耕地の増加、食料自給率の低下、フードロス問題などの課題に対して、売れる野菜を作りやすくするモデルの構築に取り組んでいる。

 平和堂ファームが初めて近隣農家から規格外イチゴ960キロを買い取ったのは2021年5月。平和堂ファームでイチゴの栽培を始めたところ形状が不ぞろいなどの理由で出荷できない物があることに気づいたファーム長の延澤太さんが「近隣のイチゴ農家も同じ課題を抱えているはず」とJAレーク滋賀に声をかけ、取り組みを始めた。賛同した6つの事業者が規格外イチゴを出荷し、同年12月には規格外イチゴを使った「滋賀県産いちごのチューハイ」の販売を開始した。

 昨年は賛同してくれる生産者も増え、2400キロを集荷。チューハイに加え「滋賀県産いちごのサイダー」も販売を平和堂各店で開始した。今年は3500キロの集荷を予定しており、新たにジャムなどの加工品の製造も予定する。

 当日は、平和堂ファームのほか栗東市、高島市の県内3カ所で集荷。3カ所合わせて1日で1388.5キロの規格外イチゴが集まった。

 約250キロを出荷したフェリーチェ(野洲市比江)の南出卓哉さんは「平和堂ファームとJAの取り組みに賛同して出荷を決めた」と話す。

 Biwako la fraise(ビワコ ラ・フレーズ、守山市幸津川町)の吉田昌功さんは「4年前に新規就農したばかりで、加工業者とのつながりもなく、規格外のイチゴは廃棄するしかなかった。平和堂ファームが買い取ってくれて助かった。何より、チラシに生産者として名前を載せてくれたので広く名前を知ってもらえたことがうれしかった」と話す。

 JAレーク滋賀の臼井克祐さんは「販売力のある平和堂と共同での取り組みなので、出荷しようという農家が増えてきている。廃棄してきたイチゴが売れると、農家の所得向上につながる。意義のある取り組み」と話した。

 「滋賀県産いちごのチューハイ」「滋賀県産いちごのサイダー」は11月頃に販売開始予定。

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