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船の上から琵琶湖の漁を見学 親子で湖魚味わい、稚魚を放流

船の上から琵琶湖の「小糸漁」を見学する参加者

船の上から琵琶湖の「小糸漁」を見学する参加者

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 琵琶湖の漁を船の上から見学するイベント「湖(こ)どもの一番丸」が7月31日、大津市堅田で開催された。主催は杢兵衛(もくべえ)造船所(大津市今堅田)。

ニゴロブナの稚魚を放流する参加者

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 「滋賀県の子どもたちに琵琶湖のことを知ってほしい」と杢兵衛造船所の仲野智之さんと、小・中学校の同級生で漁師の横江拓郎さんが企画した。当日は大津市内の未就学児から小学生まで24人と保護者が参加した。

 杢兵衛造船所内のレークウエストヨットクラブで、滋賀県漁業協同組合連合会青壮年部の会長を務める横江さんが琵琶湖の漁や漁の道具について説明。その後、参加者は外輪汽船「一番丸」に乗船。横江さんら漁師が漁船に乗って小糸漁を仕掛ける様子を船の上から見学した。

 「小糸漁」は水中にカーテンのように網を張り、引っかかった魚を捕獲する刺し網漁。横江さんは「小糸漁を仕掛けるところを見てもらうのは初めて」と話した。新しい網を仕掛けた後、前日までに仕掛けてあった網を引き揚げると、琵琶湖の固有種であるニゴロブナ、ゲンゴロウブナ、ワタカのほかに、外来種のオオクチバス(ブラックバス)、ブルーギルなどが取れた。船の上では滋賀県水産課主任技師の大植伸之さんが漁について解説し、漁を見学した後は、船内で大植さんが「私たちの琵琶湖と魚たち」をテーマに子どもたちに講義をした。

 レークウエストヨットクラブに帰港し、コアユとワカサギの唐揚げを試食。最後に桟橋からニゴロブナの稚魚を50匹放流した。参加した大津市の女性は「漁を見学し、琵琶湖の魚を味わい、放流もできて、サイクルを知ることができて良かった。船に乗っての漁見学は貴重な体験になった」と喜んだ。

 仲野さんは「琵琶湖や船について知ってもらいたいという私の思いと、横江の『漁師や湖魚のことを知ってもらいたい』という思いが合致して、2人の琵琶湖への思いによって企画を実現させることができた。今後も、船を使って日常的に琵琶湖のことを知ってもらえる機会を増やしたい。将来、琵琶湖を守っていく子どもたちに琵琶湖への気持ちを育んでもらうきっかけになれば」と話す。

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