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石山寺門前の和菓子店で紫式部のすずりモチーフの和菓子 若手社員が開発

商品のアイデアを出した関野さん

商品のアイデアを出した関野さん

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 紫式部のすずりをモチーフにした和菓子「葛(くず)焼き 染め筆」の提供が4月27日、叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)石山寺店(大津市石山寺)で始まった。

紫式部は石山寺で「源氏物語」の着想を得たという

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 石山寺に伝わる紫式部が「源氏物語」を執筆する際に使用したとされるすずりをモチーフにした和菓子。濃い(鯉)墨と薄い(牛)墨を使い分けるためにすずりの墨池に「鯉」「牛」が彫刻されていたといわれている紫式部のすずりをモチーフとした「くず焼き」は、本くず粉の中に黒豆と小豆を練り込み、濃い墨と薄い墨を表現した。墨汁をイメージした黒蜜をかけて食べる。

 染め筆の商品開発に先駆けて同社は、紫式部の生涯を描いた2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送に向け、社内を対象に紫式部をテーマにした和菓子を募集。秘書広報課の関野芽衣さんのアイデアが採用された。関野さんは「石山寺のことを調べる中で、紫式部のすずりの存在を知り、すずりの歴史を和菓子として伝えたいと思った」と振り返る。

 商品化が決まったことについて、関野さんは「普段は商品開発とは直接関わらない業務をしているが、私の『すずりを和菓子にしたら面白いのでは』という、ふとした思い付きが商品化に至ったことは、一社員としてありがたい機会だった」と話す。

 関野さんら若手社員3人で開発チームを作り、商品開発を始めた。商品開発課の河野吉将さんは「くず焼きには本来、砂糖しか入れないが、味でも『濃い』『薄い』を表現するために黒豆と小豆を入れた。入れすぎるとようかんのような食感になってしまうので、くずの食感を出すのに苦労した。発案者のアイデアを生かすために、焼いた後に付ける粉を『濃い』には黒米粉、『薄い』には米粉を使った」と話す。

 関野さんは「開発担当やデザイン担当といったさまざまな部署と試作を重ね、社内外にも協力してもらったので、実際の提供の形を目にしたときは責任を感じた。紫式部に思いをはせて味わってもらいたい。今回は期間限定の提供だが、定番化できたらうれしい」と話す。

 店内での提供は5月30日まで。5月中旬から6月に持ち帰り用の店頭販売を予定している。価格は、イートイン(黒豆、小豆各1個)=600円。持ち帰り(各2個)=1,080円。

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